セローと言えば、初心者からエキスパートまで、モトクロス・トライアル・ダートラ・果てはモタードまで何でもこなす、誰もが認めるヤマハの名車。
エンジンも空冷短発だけに弄りやすく、キャブとかカムとかマフラーとか、多くのアマチュアがカスタムチューニングを気軽に楽しんでいます。
尤も、僕のセローは走行距離2万5千km過ぎのご老体。あんまり負担をかけるのもナニかなぁと、エンジン廻りはノーマルに徹していました。それでも必要十分な性能があるし。
ところがこの前、KEIHINのPE28キャブを無料でゲットする幸運がありました。知人がバイク(KDX220SR)を処分する際、余った部品をごっそりくれたのです。嬉しいことにスロットルホルダーとアクセルワイヤーのオマケ付き…思い切ってノーマルキャブから換装しちゃうことにしました。
※4ストオフロード車にPEとかPWKとかの2スト車用のキャブを入れるのは結構定番のカスタムで、ノーマルの負圧作動型キャブレターに比べアクセルレスポンスが格段に良くなると言われています。FCRのような高級キャブ(5~6万円)の半値以下(2~3万円)で済むのも魅力的。
幸いにも、セローにPE28を試している人はそれなりにいるようで、メインジェットのセッティング幅だけはすぐに大体解りました。下は#105から上は125番ぐらいまで用意しておけば十分な模様です。
近所のドラスタで12個ほどセット買いして、スロージェットも#30~#45あたりを何個か買って、計5000円ほどの出費。これ以外のジェット類を試し出すと完全にハマるので、メインジェット&スロージェットだけで実用十分なセッティングが出なければ今回は諦めることにします。
さて、僕のセロー(3RW1)純正のBST34キャブは、エンジン側が約40mm径、エアクリーナー側が約50mm径。対してPE28はエンジン側が約35mm径、エアクリーナー側が約50mm径。インシュレーター(エンジンとキャブをつなぐ部品)はどうしても交換が必要です。
BST34(左)とPE28(右)、並べてみると一目瞭然。エンジン側の径が全然違います。
TW200用のインシュレーターとか、セローでももっと古い型(1KHや2LN)のインシュレーターを使えばボルトオンらしいのですが、注文するのも、今付いているのを取り外すのも面倒だなぁ…と思っていたら、丁度良い径の耐油チューブを発見しちゃいました。取り急ぎ、これをスペーサー代わりにして装着してみましょうか。
PE28に耐油チューブを被せ…
余分を切り取ると…BST34とほぼ同じ経に。
よしよし、思った通り。写真のように「ポン付け」でいけました。ちょっとねじ込む感じですが、難なく装着。吸い込みも無いようです。
あとはワイヤー類の形状がノーマルと異なるので、スロットルごと交換して終了。
セッティングは、MJを#108~#105まで落として、NJ位置を1/5、PS戻し量を1と1/2戻しといった感じで、そんなにボコつかず走ります。僕の場合、最終的に、エアダクト(エアクリーナーボックスに付いているゴム製ダクト)除去、MJ#115、SJ#45、NJ位置1/5、PS2戻しのセッティングで、まあまあ満足な状態に(気温25度の条件下)。
下が濃くてプラグがススけるとか、アイドリングから一気にアクセル全開にするとストールしかけるとか、まだまだ問題山積みですが…これ以上は本当にセッティング地獄になりそうなのでまた暇なときにでも。油面調整ぐらいはしてみようかな。
で、肝心のレスポンス。過度な期待は禁物ですが、エアダクト装着状態でも"解る"ぐらいは変わります。エアダクトを外せばそれはもう劇的に。そのくせ、大人しく乗る分には燃費はほとんど変わりません。
ヤフオクで漁ればキャブ+スロットルホルダ合計5千円くらいで見つかるので、マフラーを換えるよりお手軽で手堅い改造メニューと言えるでしょう。
ただし、純正外部品に交換する以上、試すのはくれぐれも自己責任でお願いします。最悪の場合エンジンブローの危険がありますし、上手くいってもエンジン寿命は確実に縮まります。吸排気音もちょっとウルサクなりますし、法律面でもちょっとグレー。