VMAX1200からTW200に乗り換えて早くも半年。
笑ってしまうほど効かないフロントドラムブレーキにも、油断すると2スト50ccMT車にさえおいて行かれそうなトロくささにもすっかり慣れまして。街乗りはもちろん野に山に、どこでも気軽に走れる歓びをかみしめる日々です。
しかし一点、どうしても我慢出来ないのが、非情なまでのライトの暗さ。暗くてたまらなかったVMAXよりも更に二回りは暗い感じ。いかに軽二輪の古いオフ車といえども、夜間の山道走行などはもう罰ゲーム以外の何物でもありません。
じゃあ省電力タイプのHIDやら、最近話題のバイク用LEDバルブやらを入れてしまえば良いと思うかもしれませんが、2JL~4CS5までの前期電装のTWはいわゆる交流式ヘッドライト。発電量の少なさの問題もあり、考えなければならないことが山積みです。
さらに致命的なのがPH6Eというマイナーなバルブ形式。80年代~90年代前半の一部のヤマハ車に使われていた特殊形式で、対応するHIDやLEDなんてもちろんありませんし、変換アダプターの類も売られていません。そもそもノーマルバルブ自体が、ホームセンターやカー用品店に置いてあるような代物ではないので、光量アップ云々以前に旅先で球切れしたときの心配もあります。
とにかくヘッドライトのことを考えるなら、一般的なバルブ形式に変更しないと何も始まらないのです。というわけで、今回の本題へ。
ひとまずネット上の情報をあたってみたところ、同じくPH6Eを使っているFZR250オーナーの方のブログ記事が多数見つかりました。H4のバルブの口金のツメを切除し、PH6Eバルブの口金の電球部分をくりぬいたものをアダプターとして装着するという方法が、どうやら定番のようです。
また、H4を使う初期型TZR250(1KT)のガラス製角形ヘッドライトが、TWの角形ヘッドライトにボルトオンという、素晴らしい情報もありました。
今あるバルブを壊すのは勿体ないですし、ヤフオクで探せば新品バルブと大差ない値段でTZRのヘッドライトユニットが入手できそうですし、やはりぽん付けの手軽さに勝るものはありません。
タイミング良く2000円くらいの良品が出品されていたので、入札してしまおうとした刹那・・・以前リフレクターを駄目にしてしまったVMAXのヘッドライトが押し入れの奥で眠っていることを思い出したのです。
全てのヘッドライトに当てはまるかどうか分かりませんが、僕のこれまでの経験上、ヘッドライトのバルブ部分の座金というものは、マイナスドライバーなどでほじくるだけで割と簡単に取り出すことができます。
VMAXのヘッドライトからH4バルブ用の座金を取り出せば、もしかしたらTWのヘッドライトにうまくはまるかもしれない。
試してみると予想は的中で、TW側の座金を外す必要もなく、下の写真の赤丸で囲った突起を削るだけで、VMAXのH4座金がピッタリ綺麗にはまりました。
あとは回転方向と水平方向の傾きを慎重に調整し、座金同士のわずかな隙間にエポキシ接着剤を流し込んで、がっちり固定してやれば完成。PH6EとH4ではバルブの長さが違うので前後方向の位置調整は諦めます。まあ後で何とかなるでしょう。
なお、PH6Eの防水カバーは使えなくなりますのでH4用のものを用意して下さい。コネクターはPH6EもH4も同一形状なのでそのままで大丈夫です。
手持ちの55W/60WのH4バルブで照射テストしてみたところ、バルブのフィラメント位置が変わったせいか最初はひどい配光でしたが、光軸調整だけで十分許容できる状態になりました。大丈夫、これなら使えます!
また、ハイワッテージ化が効いたのか、アイドリング時以外は結構明るくなりました。
念のためテスターで計ってみたところ、バッテリーは常用回転域で1.5A程度充電されるみたいです。さすがにブレーキランプ・ウィンカーランプを点灯させるとマイナス収支になってしまいますが、短距離の渋滞路ばかり走るような使い方をしなければ、このまま55W/60Wのバルブを常用しても問題は生じないかもしれません。最悪バッテリーが上がっても、TWにはキックも付いていることですし。
そう考えると、無理にH4化せずともM&Hマツシマから出ているPH6Eの45W/45Wのバルブを使えば、それだけで十分明るく出来るのかもしれません。アイドリング時だけは暗くなるでしょうけど。
まあ、とにかく今回は1円も出さず、大した手間もなくH4化できたので大満足。今後のHID化あるいはLED化による、爆光TW200の実現へと、夢は大きくふくらみます。
VMAX以外のH4座金が流用できるかどうか分かりませんし、車検があるバイクには光軸や光束の問題で使えないネタかもしれませんが、どうぞ何かのご参考に。