常用漢字表が新しくなるなら人名用漢字は?と法務省に問い合わせてみた

カテゴリー:ライティング, 思いつき取材 投稿日:

前々から改正されることが決まっていた常用漢字表ですが、今日になってようやく、今月30日に新常用漢字が内閣告知されることが閣議決定したそうです。

今回の改正は大きなもので、かなりの文字が追加されます。とくに、Unicodeじゃないと扱えない文字がいくつか混ざっていることから、SEさんやプログラマーさんをちょっと困らせることになっているのだとか。

僕のような書き屋の端くれにとっても、S-JISで扱えない文字は編集環境上困ることがありますし、そもそも常用漢字表は漢字・仮名表記の重要なガイドラインの一つですし、教育漢字なんかへの影響も考えると、結構大きな出来事ではあります。僕の場合、ATOKやJustRightが早期に対応してくれれば、作業上は一応困らないのですけど、さすがに今月30日ピッタリにアップデートとはいかないでしょうしね。 → と思っていたら、12月6日に「共同通信社 記者ハンドブック辞書 for ATOK」が、2月10に「共同通信社 記者ハンドブック辞書 for JustRight」がアップデートのようで。予約予約…。

でまあ、春頃から仕事の合間にWebをあちこち徘徊して、今回の改正に伴う様々な影響を理解するように努力してきたのですが、どうしても分からなかったのが、人の名前に使える文字がどう変わるのかについて。

人の名前に使える文字には大ざっぱに「常用漢字」+「人名用漢字」+「かな・カナ」というルールがありますが、戸籍法施行規則第60条を読むかぎり、「常用漢字」=「常用漢字表(昭和五十六年内閣告示第一号)に掲げる漢字」という扱いになっています。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22F00501000094.html

この省令が改正されない限り、常用漢字表が新しくなっても、人の名前に使える文字はこれまでと変わらないことになります。

また、今回の常用漢字表の改正では、今まで収録されていた文字のうち5文字が削られてしまうのですが、その5文字が戸籍法上どんな扱いになるのかも気になるところ。

いちおう、今日のニュースでは、今回の常用漢字表改正に合わせて戸籍法施行規則も改正されるとの話なのですが、現時点ではその具体的な情報がWeb上にほとんど無い上、見つけた情報も概要だったり憶測めいたものが多かったりで確信が持てなかったので…思い切って戸籍関係の管轄である法務省に直接問い合わせてみました。

結果、「30日に省令を改正する予定で、削られる5文字についても人名用漢字に追加する方向で検討中」とのこと。

30日にはすべて明らかになるようです。

これまで悶々としていたことが電話5分で解決してしまい、ちょっと拍子抜け。担当者の方も、非常に丁寧かつスムーズな応対で、これなら躊躇せず、もっと早い時期に問い合わせてみれば良かったです。


Webに収録されている膨大な情報も、元をたどればすべて誰かが調べ、公開したもの。何かの調べ物にWebを使うのが当たり前になっている今日この頃ですが、そればかりでは見つからない情報もあるのは、やっぱり当然のことですね。

あまりWebばかりに依存せず、オフラインで調べることも重要だということを、改めて思い知った一日なのでした。



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