文章のアラを目立たなくする「逃げ」の編集テクニック (負のWebライティング)

カテゴリー:TIPS, ウェブ, ライティング 投稿日:

編集・ライターの端くれということもあり「どうやったら美しい文章を楽に書けるのか、とっておきの秘訣をセミナーで話して欲しい」とかいうようなお問い合わせを頂戴することが結構あります。

確かに、セルフブランディング目的でそんな感じの講演活動も随分やってきたわけですが、最近は参加者の意欲がよほど高くない限り、その手のお話はお断りするようにしています。

それなりの文章を楽に書くことが出来るようになるには、ひたすら文章を書き続けて膨大な数の執筆テクニックを一つ一つ体に叩き込んでいかなければなりませんし、ましてや雑誌レベルの文章品質を目指すのであれば、どんな人だって最低1~2年は文章漬けの環境で"修行"を積む必要があります。

"近道"はあれど、一瞬で上達する"抜け道"は無いというのが実際のところで、「簡単に文章力アップ」のつもりで聞きに来られる参加者に、お教え出来ることなんてあまりないのです。それでも講演スキルの高いスピーカーなら、参加者の気分を高揚させて上手く"まとめる"ことも出来るわけですが、残念ながら僕にはちょっと無理。

ただ、「下手な文章を下手に見せない方法を知りたい」というなら話は別です。

それは実に簡単。とにかく文章の"アラ"を目立たなくすれば良いのです。例えば次のようなテクニックは、僕もときたま使うことがあります。


文字を見づらくする

文字サイズを小さくすればするほど、文字ピッチや行間を狭くすればするほど、文章の可読性が落ちて流し読みされやすくなり、誤脱字・表記揺れ・言葉の誤用・情報や固有名称の間違いなどの細かな問題点が目立たなくなります。特に、濁点の付け忘れや、「、」と「,」の間違い、全半角の不揃いなどには、効果てきめんです。

読点「、」の数を極力減らす

読点があまりに少ない文章は、可読性が悪く、流し読みされやすくなる傾向にありますが、しっかり読まれない分、記述上の問題も気づかれにくくなります。また、読点の打ち方がまずいと、リズム感を欠いた下手くそな文章に見えますが、読点を減らしてしまえばそういった問題も起きにくくなります。

一文を長めにとる

「。」で区切られる一文を長くすれば長くするほど、説明は回りくどく・難しいものになりがちですが、理屈が上手く通っていないとか、話に矛盾があるとかの問題も、一緒に"わかりにくく"なります。また、一文一文を短くすると、そのつながりにぶつ切り感が出たり、似たような接続詞が連続したり、文末が同じ音になって見苦しくなるとかの問題がよく生じますが、一文を長めにすればそんなことも未然に防げます。

図版でごまかす

単なるイメージ画像でも構わないので、図版は積極的に使いましょう。読み手の意識が図版に向いて、文章の問題点が目立たなく・気にならなくなります。図版点数・図版の占める面積を、少しでも多くするのがポイントです。

デザインを少々ダサくする

デザインが美しく・整っていればいるほど、全体的なバランスから、文章のまずさが際立って目立つようになります。文章品質に難がある場合は、デザインも少々崩し気味・ダサ目にしてしまう方が無難です。


以上、僕が普段、雑誌やらセミナーやらで偉そうに言っているのと相反することばかりのようですが、こんな感じの「負のWebライティング」もまた、大変有効なんだから仕方ありません。

こんなこと実際にやってるのがバレると、いかにも格好悪いのであんまり大きな声では言いたくなかったんですけど…まあ、もう書いちゃったので由としましょう。このブログなんかでは多用していることですし。

限られた予算・期間内で、"誌面"トータルのパフォーマンスを上げるのが編集作業の真髄なわけで。こうした逃げのテクニックも、決して軽視できないものですからね。




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